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現在ニューヨークの街角にはアーティストによるいろいろな意匠の「ビッグ・アップル」が展示されています


          § バイバイ ニューヨーク §


2000年にアメリカへ来てから、足掛け5年の月日が過ぎてしまった。

親の仕事の都合で無理矢理連れて来られた子どもの手前暗い顔は見せられなかったけれど、私自身の交友関係を畳んで来た身にも結構厳しいものがあった。2年と言われていたのが3年を経て「すわ帰国!」と思いきや、今度はフロリダからニューヨークへ移る事になり、そして結局5年目の日々を過ごしている。

お付き合いいただいた方々は決してそうは思っていないだろうが、実は私はシャイである。人と打ち解けるまでに非常に時間がかかるタイプである。だから海外生活に馴染めずにノイローゼになる者もいると聞いた当初、周りの誰も心配せぬ中ひとり自分の身を案じた。

ところがどっこい、どうやら人よりも順応性が高い体質のようで、フロリダの空気にも水にもぴったり馴染んでしまった。特にニューヨークに来てからは「食」の面でも充実しており、環境変化に伴う食欲減退および体重減少もまったくの杞憂に終わってしまった。しかし、アメリカ生活の総決算が元の体重の1割増しというのは非常にまずい気がする。

フロリダ、ニューヨークを通じて、言葉の通じぬ土地での「赤の他人の親切」というものが身に沁みた。ツギハギだらけの拙い英語を理解しようと耳を傾けてくださった人たちの温かさが有難かった。かつて同じ日本語を話す「身近な人たち」に、私はどれほどの温かさを傾けてその人を理解しようとしたのだろう。ましてや「赤の他人」の苦労や痛みに対してわずかでも気持ちを注いだことがあるのだろうか。

フロリダで出会った皆さん、ありがとうございました。
ニューヨークで出会った皆さん、ありがとうございました。
そして日本で帰りを待ちながら、私の海外生活を応援してくださった皆さん、ありがとうございました。

明日、日本へ向けてニューヨークを発ちます。海外へ出なかったら決して気付かなかった自分の心の貧しさに、体重と同じように1割増しの温かさが加わっていればと思います。

「NY便り」をご愛読いただきました皆さま、ありがとうございました。皆さまからいただいた励ましの言葉が、ニューヨークでの生活の原動力となりました。人込みや街の喧騒に流されずにより一層の好奇心を持って濃い日々が送れたことは、皆さまの応援があってのことと感謝しています。日本に帰ったら、またどこからか「Bin Kusuya(ビンクスや!)」の便りを発信したいと思っています。またお目にかかれる日まで…。

それでは、皆さまさようなら。
それでは、バイバイ ニューヨーク!


 


 

 

 

 

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展示期間が終わるとオークションにかけられ一般の人に販売されるそうです
 
現在のグラウンド・ゼロ
崩壊したビルの一部が十字架の形にモニュメントとして残されている
 
2004年 夏の終わりに