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☆カーソルを近付けると写真が替わります
中国の土産物店
漢字の看板が目立つチャイナタウン
バーガーキングも中華だとこうなる
☆中華マック
パン屋は「餅屋」
☆サブウェイの看板(漢字だと何となく意味が解る)
これは美容整形医院の看板
☆美容院のチェーン店
時計修理屋の看板
☆銀行の看板は右から読む?
賑わう店内
☆海鮮火鍋ビンゴレストラン
好きなものを自由に選んで…
☆焼肉も鍋物も一緒にいただく
これが噂にショーロンポー
☆ジョーズ・シャンハイ
マンダリン・コート
ワゴンに乗せられてごちそうが廻ってくる
☆出来たて飲茶の数々


         § 食いだおれ チャイナ・タウン §


関西において「京の着だおれ、神戸の履きだおれ、大阪の食いだおれ」と言われるならば、ここマンハッタンで「食いだおれ」はやはり「チャイナ・タウン」である。ニューヨークのチャイナ・タウンはアメリカ全土においても最大、中国本土から離れた西半球においても最大規模なんだそうである。

チャイナ・タウンの歴史はこうだ。

18世紀半ば、貿易商や船乗りといった中国人たちがアメリカにやってきた。しかし彼らのほとんどが一時滞在者で、ごく僅かな者たちがアメリカに留まるに過ぎなかった。それが大挙してやってきたのは、19世紀半ばのゴールドラッシュの頃、「アメリカ大陸横断鉄道」建設のために労働者斡旋業者によって西海岸カリフォルニアに連れて来られたのが最初である。

殆どの者は当初数年だけを、祖国に帰って家を建て結婚するための資金を稼ぐ期間だけをアメリカで過ごすつもりであった。鉄道建設も完成に近づくと、この低賃金で勤勉な中国人の労働力は、広く葉巻会社や繊維会社から請われるようになった。

しかしこれによって、自分たちが労働の場を失い、生計を脅かされることを恐れた白人労働者たちは、中国人たちに対して集団暴力人種差別を繰り返し、それに嫌気がさした中国人たちは、様々な人種がもっと簡単に雇用機会を得られる東部へと移り始めたのである。

当初から中国人は民族として固まって住む傾向にあった。そうすることによって、人種差別によってもたらされる被害を最小限に押さえることが出来た。

多くの少数派民族集団とは違って、チャイナ・タウンは主として自分たちで生活を支える。民族内の自治体があり、仕事の斡旋や経済的支援、社会奉仕から社会救済まで行う。1870年代後半、数人の中国人がニュージャージーから手洗い洗濯技術を持ち帰り、それ以後ニューヨークには中国人の手洗い洗濯業が爆発的な広がりを見せたそうだ。

日本で著名な中国料理のシェフ、周富徳氏の興味深い話がある。

『例えば中華街で成功した料理店があるとします。その店のシェフは成功した技術を他の中国料理の店のコックにも広めます。こうして中国人は民族全体でよくなろうとします。ところが日本人を見ているとそうじゃない。自分の店の技術は「秘伝」として外へは伝えようとしない。結果、せっかくの智恵や技術が、後継者がいなくなって廃れてしまう』。

江戸時代には封建社会の確立と貿易利益の独占を目論んで、鎖国をした国である。果たして海外の進んだ文化や技術などが入らなくなり、世界の進歩から取り残されることとなった。

開国したらしたでそれまでの飢餓状態から一気に過吸収。苦しいダイエットから解き放たれた一種のリバウンド状態である。鎖国という時代の利点のひとつであった「日本独自の文化産業の発達」は、海外文化産業の濁流に押し流されてしまった。絹も消え石炭も消え、そして米さえも存亡の危機に瀕している。今や街中では、日本古来の伝統的な音楽様式があることさえ知らない若者が、西洋音楽に身体を震わせていたりする。

そういう私も、日本の伝統的な市松人形よりも、アメリカ生まれのセルロイド製「青い目をしたお人形」を抱いて育った世代である。都合のいいところだけ資本主義社会の恩恵に与って、精神的には「鎖国時代の島国根性」から抜けきれない日本の先行きを、いつも杞憂しているというわけではない。

ニューヨークの刺激的な街で何でも知りたい「いっちょかみ」、面白いものと美味しいものには目がない。それが「安くてうまい」となればいうことはない。と、週に1度はチャイナ・タウンに出かけることとなる。

先にも述べたように「皆でよくなるチャイナタウン」であるから、どのお店に入ってもそう当たり外れはない。お店の大小、内装の良し悪しはあるものの、概してどのお店も安くてうまい。そんな中でもお薦めの店を三つ。

焼肉、鍋物、寿司、オードブル、飲み物が食べ放題で21ドルという海鮮火鍋のお店「ビンゴ レストラン」。肉類はもちろん、新鮮な魚介類や野菜を自由に取ってきて、鉄板と鍋の並んだテーブルでたらふく戴ける。オードブルもカニ爪のフライや生牡蠣、シュリンプカクテルなど種類も豊富。飲みながら話しながら、ゆっくりと「食文化」を楽しむ人たちで溢れている。大飯喰らいの息子が来た時は、ここに決めている。

「小龍包(ショーロンポー)」で有名な「ジョーズシャンハイ」。蒸したての小さな肉まんのようなもので、てっぺんをすこし齧って中の熱々のスープをこぼさないように、ハフハフ言いながらいただく。日本のグルメ雑誌や地元のレストラン案内にも紹介されていて大変有名なので、いつも空席待ちの人がお店の外にまで溢れている。

飲茶で有名な「マンダリンコート」。作りたての美味しそうなものが湯気を立てながらワゴンで廻ってくる。地元中国人も多いから彼らの選ぶものを真似ていただいたらとっても美味しかった。ここのエビ蒸し餃子は絶品である。

なんてうまい店を開拓しながら、ついつい食べ過ぎて倒れそうになるほどである。

あれ、「食いだおれ」ってそういう意味だったっけ



 

 

 

 

 

 

 

 

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