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アメリカ滝

 
カッパを着たけどずぶ濡れ!
 
カナダ滝( カーソルを近付けると夜のライトアップ風景になります)
 
カナダ特産アイスワイン


          § ナイアガラ・フォールズ §

いよいよ来月帰国することになり、日々荷造りに忙しい。

狭いアパートメントのどこにこれだけ入っていたのかと思うほど、掘っても掘ってもザクザクと小判じゃなくて不要品が出てくる。「ここ掘れワンワン」とは言わないが、時々愛猫ビンクスがゴロニャンと甘えにくるので、『抱っこでちゅかぁ、ほんならしばらく休憩にしましょね〜』と猫を抱いてソファにひっくり返ったが最後、気がつくと夕方までうたた寝をしていたという今日この頃である。

元来デブ症、じゃなくて出不精なので、毎日の暑さも手伝ってフットワークが非常に鈍っている。日本へ帰ってしまうとおそらく、学生二人を抱えた主婦に廻って来る娯楽費なんぞ到底望めまい。ここに居る間に、費用と時間をかけないで行ける「駆け込み観光」はないかしらんと残り少ない日々に気持ちは焦っていた。

で、先日「格安ツアー!ナイアガラ1泊2日」を見つけ、思い立って出かけた。ニューヨークから飛行機で1時間15分。日本でいうと伊丹から成田へという感覚だけれど、そこはすでにカナダとの国境。バッファロー空港からバスに乗り換えて、国境を越えた。

五大湖のエリー湖からオンタリオ湖に流れるナイアガラ川。そのほぼ中間点にナイアガラの滝がある。この滝はアメリカとカナダの国境を兼ね、アメリカ側にあるのをアメリカ滝、カナダ側にあるのをカナダ滝と呼ぶそうだ。特に馬蹄型をしたカナダ滝は流れ落ちる水量が膨大で、1分間に16、800立方メートル、なんと7分間で東京ドームを満杯にしてしまうほどなのだそうだ。その落差56メートル滝壷は58メートルの深さだという。

これだけ豪快な滝があると、落ちたらどうなるのだろうと考えるのが人の常で、中には実際落ちてみる人も出てくる。

1901年、当時63歳であったアーニ−・テーラーさんというおばさんが樽に入って、初めて滝下りに挑戦したそうである。彼女は莫大な借金を抱えていたために、『成功すれば有名になってお金儲けが出来るだろうし、もしだめでも死んで借金から解放される』という、非常に切羽詰った状況が動機であったらしい。幸い彼女は成功し、大変なお金持ちになったそうだ。

そうなると、2匹目のドジョウを狙って後に続く者が出てくるのもまた、人の常である。その後、6人の挑戦者が出たが5人が帰らぬ人となったため、現在、滝下りは禁止されているのだとか。

さて、その豪快なナイアガラの滝を、近くに行って見せてくれるという観光船「霧の乙女号(The Maid Of Mist)」に乗って、二つの滝近くを巡った。

水しぶきで濡れるというので、あらかじめビニールのカッパが配られる。手を広げるとジュディ・オングの衣装のようになるカッパを頭からすっぽり被り、いざ出発である。

滝が近づくにつれ、もうもうと立ち込める霧の中に巻き込まれていく。滝の轟音と、水しぶきなんていう生易しいものじゃない横殴りの水煙に翻弄されながら、デッキの手すりにしがみついていた。船から下りた時にはカッパは何の役にも立たず髪はシャワーを浴びた後のようにずぶ濡れ、化粧も水と風圧にすっかり洗い流され、カッパを着た河童状態であった。

ジュディ・オングの衣装も役に立たぬままホテルに戻り、窓から滝をぼんやり眺めた。南に向いてる窓を明け、五大湖に思いを馳せる。

学生の頃、その5つの名前が覚えられずに兄に泣きついた。「スイヘーリーベボクノフネ、ソーマガルシップスクラークカ」、「カロカックイイケレ」「ダロダツデニダナナラ」なんていう暗記方をよく伝授してくれた兄は、「エリーオンタリオ湖でスペリオル(滑りおる)と、ヒューロンとこけてミシガンというた」と、五大湖の覚え方を教えてくれた。

「スイヘーリーベ…」が何だったのかすっかり忘れてしまったが、『五大湖だけは今もちゃんと言えます。お兄ちゃん、ありがとう…』とカナダから日本を思って気がついた。

しまった!エリと名づけてしまった我が娘。これからの人生、けっしてヒューロンとこけないでおくれ!

 

 

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カナダ側ホテルからナイアガラ川を望む(中央の滝がアメリカ滝、右側がカナダ滝)

 

Kラ川を望む(中央の滝がアメリカ滝、右側がカナダ滝)