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打ち上げられた花火の数々

 

 
 
 
 
 
特別色にライトアップされた
エンパイアステートビル


          § 独立記念日花火大会 §

7月4日、アメリカ独立記念日恒例の花火大会が行われた。合計3箇所で打ち上げられる花火、ミッドタウンはイーストリバー34丁目あたりである。運良く知人がイーストの39丁目、しかもアパートメントの41階に住んでいるので、そこへ押しかけて花火鑑賞会を開こうということになった。

実は去年も花火を観に出かけた。フロリダからニューヨークへ移ってきてまもなくの頃、今まではテレビ中継でしか見たことがなかった独立記念日の一大行事を、この目で見てみたいと出かけた。

夜9時過ぎに花火は上がるのだが、遅くなると交通規制が行われて打ち上げ現場付近には近付けなくなる。その上マンハッタンのイーストリバー沿いは押す押すなの人ごみで身動きも取れなくなると聞いたので、川の向こう岸から観ようとクイーンズ地区まで行くことにした。

イーストリバーを渡ってすぐの地下鉄駅で降り、川岸まで歩いた。夕方6時前だというのにここも花火に向かう人たちで溢れ、沿道にはアイスクリーム売りの屋台が並ぶ。途中でグリコジャイアントコーンみたいなデカいチョコレートアイスを買って、食べながら歩いた。

現場につくともう既に群集が詰めかけている。障害物のない見晴らしのよい場所を探して延々と川岸に沿って人波が続く。近くの住人は椅子を持ち出し、遠くからの人は敷物持参である。パトカーや警察官も待機して人々の誘導と整理にあたっていた。

なるべく前に人が来ないような歩道の端を選んで座ったものの、まだ時刻は6時半。花火が打ち上がる9時過ぎまでには3時間ほど待たねばならない。夕方とはいえ7月の太陽は照り付け、だんだん膨らんでいく人ごみや人々の嬌声とは裏腹に、こちらの気分はだんだん沈んでいってしまった。そして座ることにも疲れ果てて最後は歩道で寝転んで待つという始末であった。確かに花火は豪快できれいだったけれど、結局空腹を抱えながらぐったりとして家にたどり着いたという去年の花火大会である。

そんな去年とは打って変わって今回、ロケーションは最高の場所を確保できたわけである。ならばあとは空腹対策、皆でごちそうを持ち寄ることになった。

午後6時に集合。知人のその41階のアパートメントのリビングは、イーストリバーを臨んで東側から遥か南の風景まで一望である。イーストリバーには、「船上で豪華ディナーを頂きながら花火を観る」というリッチな人たちを乗せたヨットや船もたくさん浮かんでいる。窓際に立って西側を覗けば、今日だけ赤、青、白のアメリカ国旗の色にライトアップされたエンパイアステートビルがそびえる。

ヒジキと鮭のマリネ、サーモンと玉ねぎとピクルスを使ったテリーヌ、オリーブたっぷりのフォッカチオ、牛肉と大根のちらし寿司、ブドウとナッツ入りチキンサラダローストビーフの和風ドレッシング添え、キムチマヨネーズソースでいただく蒸し野菜、そして留めは会場提供のホスト自らが1日かけて用意してくださったという手作りカレー。これら持ち寄りならではの超豪華ディナーを頂きながら、もちろんお酒はビール、赤白ワイン、シャンパン、日本酒、アクアヴィットも並んで、飲んで喰って喋っての楽しいひと時であった。

いよいよ花火開始。まさに眼前である。花火の開花に少し遅れてくるドーンドーンという音は腹に響き、高層ビルの為に少ししか開かぬ窓からは、硝煙の臭いも漂ってくる。アメリカの花火はとにかく派手だ。国旗の色を意識してか赤や青の色のものが多く、ハート形に開く花火や土星のように輪をつけて開くものもある。いわゆる「ニコニコマーク」の花火も上がっていたが、バイリンガルの小学生たちによると「スマイリーフェイス」なんだそうである。

日本人なのに『Wow!』と驚嘆し、興奮すると英語でやり取りするという子どもたちの嬌声を聞きながら、「越の寒梅」でほろ酔いの頭の中には「たまや〜…、かぎや〜…」という日本語しか浮かんでは来ぬ、在米5年目の夏の夜であった。


 


 

 

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