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☆カーソルを近づけると写真が替わります
22種類ものアイスクリームが…
☆ふれっしゅあぐり館
こちらは「ごま」と「いちごみるく」
☆「ミルク」と「あずき」
昼間の田園風景
 
蛍狩りに熱中する人々
 
俵田地区、蛍保存会の小牧さん

 

 

 


        
        
          § 蛍狩り §


蛍狩りに出かけた。

蛍といえば子どもの頃、虫かごに入った数匹の蛍を見た程度である。暗闇でほのかに光るお尻を見ながら、へえ、電池も入ってないのにほんとに光るんだ…と思った覚えがある。アウトドアが嫌いな父親に育てられたので、私もどちらかといえば自然に親しむ機会が少ない。わが子の野外活動は、もっぱら学校やお世話くださる地域の人にお任せした。それが今回なぜアウトドア嫌いの父を伴って参加したかというと、親友からの親切なお誘いがあったからである。

美味しいアイスクリーム食べにいかへん?」

私たち父子の食いしん坊をよく知っている友人はまずそこからきた。

「えっ、どこへ?」

特にアイスクリーム好きな私は喰いついた。

「加古川の北のほうやねんけど地鶏も有名でね、Aコープで焼いてる焼き鳥がまた美味しいのよ」

と、これまた焼き鳥好きの父を知ってか留めをさした。で、先日、それぞれの爺婆を連れてのドライブとなったのだが、美味いもんを食べた後にはしっかりと野外活動としての蛍狩りが予定されていたというわけである。

午後3時、加古川市を出発。まずは美味いもんを目指してひたすら北上である。加西市を過ぎ八千代町を抜けるとやがて国道427号線に出る。加美町に入ってしばらく走ると道路沿いにAコープ加美店を見つけた。なるほど、情報どおり店舗脇に焼き鳥の出店。そこでこれまた情報どおり、へんこつ親父の焼く焼き鳥を買い込んだ。食事は別に予定していたので、美味しそうな匂いだけを嗅ぎながらさらに国道を北へ進む。ほどなくお目当ての「ジェラテリア ふれっしゅあぐり館」に到着した。

この「ふれっしゅあぐり館」、平成15年6月にオープンした加美町の新名所なんだそうだ。アイスクリームの原料には、地元箸荷(はせがい)牧場の新鮮な牛乳や近くのハーモニーパークで採れる季節折々の果物を使用しているのだとか。期間限定のいちご、すもも、なしや人気の「塩アイス」など22種類ものメニューが用意されている。

シングル250円、ダブル300円なのだが迷わずダブルを選んで2種類のアイスクリームを賞味する。私が選んだのは「ごま」「いちごみるく」。父には「ミルク」「あずき」を選んでもらい、これもあれも味見する。それぞれが手作りならではの自然な甘さで、今風に言うと「超〜美味しい!」。特にお薦めは「ミルク」と「ごま」である。

さて、この「ふれっしゅあぐり館」のアイスの後、地元のレストランで蕎麦を堪能したあと、いよいよ本日のメーンイベント蛍狩りである。場所は加美町から少し戻って八千代町野間川沿いに遊歩道などが整備された俵田地区「ほたるの宿路」として有名なところである。この地区には地元の有志が運営する「ほたる保存会」があり、毎年産卵の時期になると蛍を捕獲し、その産卵から孵化、そして幼虫を川に戻す手助けをしているという。

日本全国には、約45種類のホタルが生息しているといわれているが、全ての種類のホタルが発光するわけではなく、そのうち発光するのは約15種類程度なのだそうだ。 日本全国各地で鑑賞できるホタルでは、源氏蛍(ゲンジボタル)、平家蛍(ヘイケボタル)、窓蛍(マドボタル)、姫蛍(ヒメボタル)、紅蛍(ベニボタル)などが有名なのだが、ここ野間川沿いは源氏蛍である。

蛍の一生は概ね次のようになる。

5月から6月、オスとメスの蛍(成虫)が交尾して、メスが苔の中に産卵する。卵は黄色い色をしており、1度の産卵で約500個の卵を産むそうだ。

産卵から1ヵ月後、卵が孵化し幼虫となる。幼虫はすぐに水の中に入りカワニナという貝を食べながら暗い場所で成長する。川底の石の下などに潜り込み、水中で遠い春を待つのだが、その間に1匹の蛍の幼虫は約3〜4個のカワニナを食べるという。

翌年4月から5月頃、幼虫は水の中から陸に上がり、土の中に潜る。

上陸から1ヵ月後、幼虫はさなぎに変化する。

さなぎになって10日後、さなぎから羽化し、土から出て成虫となる。

成虫となった蛍は交尾相手を探すのだが、その命は残り1週間と短命らしい。そして蛍のお尻が光るのは求愛行動なのだそうで、メスは葉っぱの上で発光することでオスを誘い、オスはお尻を点滅させながらメスの光を探し飛び回るという。お尻が光るのは、蛍が体内に取り込んだ空気中の酸素が、体内の発行部分(後腹部)にあるルシフェリンと酸化反応を起こしているためで、発光しているお尻は触っても熱くはないそうである。

野間川沿いの遊歩道を歩き始めた時は、日没後間もない7時半過ぎであった。野間川のせせらぎの音を聞きながら、目を凝らさなければ見えなかった蛍も、夜が更けると共にその数が増してきた。平安の時代には恋する我が身を蛍に例えて、和泉式部が歌を詠んだ。

物おもへば 沢の蛍も我が身より あくがれいづる魂かとぞみる
(恋しさに思い悩んでいると、沢に飛ぶ蛍も私の身体から抜け出してゆく魂ではないかと見えるよ)

対岸の鬱蒼と茂る木立の中にあちらこちら、ぼうっ…ぼうっ…と灯りが点り、黒一色の陰になった木々の間を恋する光が飛び交う。長い日々を土の中に過ごし、やっと大人になった1週間を恋に身を焦がして死んでいく蛍…。ああ、なんてロマンティック…と美しい風景に想いを巡らせていたら、美味いもんをたらふく食べて眠くなったのだろう、「早よぉ帰ろうかい」と隣の「逆さ蛍」がのたもうた。






 

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