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honoyu.jpg',1)" onMouseOut="MM_swapImgRestore()">松帆の郷
たこフェリー
☆明石海峡大橋
 
表は魚屋さん
☆鮓「林屋」
 
こちらはウニとトロ、とろけるように美味かった!
☆アワビの塩焼き
 
蒸しアナゴとサザエ
☆たこの梅肉添えとヒラメ
 
この玉子にぎりも必食!
☆お持ち帰りをした太巻き!
 
松帆の郷
☆明石海峡大橋が一望の
松帆の郷「露天風呂」
 
いちごみるくの天使たち

 

 

 


        
        
         § 「いちごみるく」と「シワーズ」 §


「ただいま」
「お帰り、しばらく静かやったのにまたうるさなるな」

足掛け5年の海外生活を終えて日本に戻った私を出迎えた友人たちの言葉である。彼女たちのこの毒舌を聞くとなんとなくほっとする

彼女たちとは子どもを通わせる音楽教室で出会った。音楽を通じての早期情操教育を謳う某企業のより専門的なコースというので出会ったから、世間の母親たちの中でも私たちは熱心な部類であったかと思う。そこでこれまた熱心な先生に出会い、子どもたちはその音楽的才能をどんどん開花させていった。「いちごみるく」というグループ名は一時代を画し、そしてコンクールなどでの華やかな活躍を日々のお稽古通いで支えることに母親たちは粉骨砕身の努力を惜しまなかった。お蔭で母親たちはいっきに老けた

私は皆より先に髪に白いものが混じり始めた。今ではそれを誤魔化すためにハイライトをいっぱい入れているが、いちおう見栄を張って「おしゃれ染め」ということにしている。Iはかつてストレスから一気に太った。その分を不細工なパグ犬を2匹も飼ってお互いの段腹を慰めあっている。そして笑顔の素敵なNに至っては、とうとうどれが目かシワか分からなくなってしまった。

当時子どもたちが幼稚園児であったから、その付き合いはかれこれ15年にもなるだろうか。出会った頃はそれぞれが手探りの子育て真っ最中である。子どもたちに関する情報交換だけではなく、個々の家族だけでは解決できない相談事も何気兼ねなく話せた。山あり谷ありの子育てを通じてそれぞれの家庭の事情も見えてきて、皆がそれぞれの山や谷を埋めあった。そして支えあった母親たちは長い年月を経る間に、親を看取り、自身の病気を克服し、そして夫までをも見送った。あの頃を語るとき、皆が口を揃える。
「しんどかったけど、楽しかったね」

当の子どもたちは成人し、それぞれの道を歩んでめったに会うこともなくなった。が、苦楽を共にしてきた母親たちの結束は固い。で、帰国後半年の間に彼女たちから何度もお誘いがかかり、あちこちへと出歩いている。

帰国早々には錦秋の美しい舞子ビラで帰国歓迎会をしていただいた。そこで冒頭の心温まるやりとりがあったのだが、それを聞いて「ああ、やっと帰ってきた」という思い新たであった。秋が深まり冬が見えてくると、誰かがカニが食べたいと騒ぎ出した。と阪急交通社による北陸カニツアーなるパンフレットを用意する者がいる。そして皆の都合を聞いてちゃっちゃと予約をしてしまう者が現れて、めでたく一月後にはカニで満腹になった裸を晒して北陸の露天風呂に浸かっていた。

年も明けると新年会と称して「歓迎いちごみるく」と書かれた料亭に集った。そして鍋をつつきながら、『淡路に美味い鮨屋があるらしいで』と出かける日の相談をした。

昔の学年でいうと上は高3から下は中1である。上が怖いのでほんとうは酒飲みのこの中1のSが酒を我慢して車を出すはめになる。明石たこフェリーに乗って20分で岩屋到着。町営の駐車場から徒歩3分、「どこやどこや」と騒ぎながらさしたる苦労もせず、路地を入ったところに「林屋」を見つけた。

店の表は獲れたての新鮮な魚を売る魚屋さん。その脇に回ると鮨屋の暖簾がかかる。8人ほどのカウンターと小上がりがふたつ。そう広くはないのでいつも予約で満席らしい。その日も小上がりの座敷席は取れずカウンターにずらっと並んで頂いた。

おまかせ3000円コース。その日のお薦めのネタで次から次へとにぎってくれる。自分で注文すると好みも偏るから、おまかせでいただくと変ったものが味わえてうれしい。この日も「たこの梅肉添え」という明石海峡ならではのネタが並んだ。

カウンターのネタケースの端にアワビを見つけたK「アワビを塩焼きで食べたい」と言い出した。普段「女優肌」というファンデーションでシワもシミも隠している彼女に「どうきれい?」と尋ねられたら、「ああ、きれいきれい、シワもシミも全然見えへんわ」と答えないと収まらない。しかし、一般の料亭でいただくアワビは目も飛び出るような値段と聞く。ま、今日は人数もいることだし割り勘にすればいいかと彼女の「アワビ食いたいコール」を収めるべく恐る恐る注文。これが真に美味かった。新鮮なアワビをただ塩で焼いているだけなのに、香り付けにちょこっと醤油をたらしていただいたアワビは絶品であった。怖れていたお勘定もえっ?これでいいの?と思うようなお値段。「お持ち帰りに太巻きを!」という情報もしっかり実行して皆満足して店を後にした。

さて、満腹となるとあとはやはり温泉である。で向かったのが「美湯(ビュー)松帆の郷」。淡路北端にある温泉施設で露天風呂からは明石海峡大橋が一望できるという。入場料700円、インターネットで100円割引チケットを人数分ちゃっかり印刷して、タオル持参で乗り込んだ。

訪れた日は日曜日であったためか地元の人たちばかりでなく、観光客で館内は溢れかえる。それでも辿り着いた露天風呂では理想的な頭寒足熱、凍える冬の外気に半身浴で体を温めながらたっぷりと雄大な景色を堪能した。

子どもたちのグループ名が「いちごみるく」、それでは私たち母親は「シワーズ」と名乗りましょうと冗談で言い合っていたあの頃。それが冗談ではなくなり、年の数と同じようにシワもシミももう皆がたっぷりと抱え込んだ。そして露天風呂で晒しあう体までシワクチャという日もそう遠くはあるまい。しかしこのシワーズの面々、相変わらず元気である。いつかどこぞの音楽教室で孫の手を引いてばったりと出くわさないかと怖れている。






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