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神戸ユニバ競技場
☆カーソルを近付けると写真が替わります
立命館応援団
☆関学応援団
 
得点が入ると盛り上がる
☆関学グッズを振って応援に熱が入る
 
立命館チアリーダー
☆関学チアリーダー
 
得点が入り狂喜するOBたち
☆OB1年生
 
勝利の瞬間
☆こちらは関学カラーを纏った古いOB
 
そして…試合結果

 


        
        
         § 関学ファイターズ §


アメリカンフットボール、初観戦である。

カードは関学ファイターズ VS 立命館パンサーズ

実は息子の友人たちが関学アメフト部のOBで今回は彼らと観戦に行くというので、それでは詳しい実況解説を聞きながら試合を楽しめるかと期待して便乗した。しかもこのカード、今期の関西学生リーグ戦の天王山だという。残り2試合を残しているものの、関学にとって昨年日本一の立命館は最強敵、これを制すれば関東学生リーグの覇者との対戦、甲子園ボールへの出場もぐっと近いものになるらしい。

場所は曇天の神戸ユニバ競技場である。

神戸市地下鉄西神線の総合運動公園駅からは、午後2時のキックオフを前にぞくぞくと観客が吐き出される。現役大学生の応援団はもちろんのこと、OBらしき家族連れかなりお年を召した紳士たちのグループも少なくない。会場では配られた応援グッズを手に、試合開始前から吹奏楽団チアリーディングに呼応して観客も盛り上がっていた。

さて試合開始。

最初はどこにボールがあるのかさっぱり解らない。いかつい防具に身を包んだ男たちがぶつかりボールを奪い合う。男たちが倒れたその団子の下にボールがあるかと思えば、思わぬところからロングパスが通ったりする。ルールはさっぱり解らぬものの、スタンドの中段に陣取りOBたちの興奮の中に身をおいて観戦すればだんだんと試合内容が見えてくるから不思議だ。

しかし息子の友人たち、去年まではフィールドで闘っていたOBたちだからさぞ詳しく解説いただけるだろうと目論んでいたら、これがまったくの見当外れ。試合が始まると彼らの人格は変わった。

選手たちの動きに合わせて野獣のような咆哮が飛び交う。『ウオ〜』、『走れ〜』、『よっしゃ〜』。そして得点が決まれば『オィッオィッオィッ〜』と訳の解らぬ奇声を発して周りの仲間たちと高く掲げた腕をぶつけ合う。

周りの観客はといえば更に古いOBらしきおっさんたちが観客席を駆け下り、応援団員をつかまえて肩を組み応援歌を唱和する。老いも若きも年齢や立場を忘れて、フィールドで繰り広げられるひと時のドラマに熱くなった。

試合結果。第2クオーター、立命館に先制されるもすぐに逆転、その後は関学がリードをしては迫られという両者伯仲の試合の中、第4クオーター残分2分を切ったところで関学痛恨のハンブル、攻撃が立命館に移る。両チームの応援団席から怒涛のような声援が響く中、最後の力を振り絞った関学は辛くも2点差を守りきった。30対28で関学ファイターズ勝利!

☆     ☆     ☆

昨年の夏合宿中、関学ファイターズはひとりの若き仲間を亡くした。

目の前の屈託のない若者たちは繰り広げられるゲームに熱中しながら、共にフィールドを駆け抜けた彼をその時確かに心に抱いていたのかも知れない。

生まれた時に雷鳴がとどろいたことにその名前の由来を持つという夭折した彼は、永遠にそのユニフォームを脱ぐことなく彼らの心の中に生きつづける。

試合の盛り上がりと相反するように重く垂れ込める曇天の中、ともすれば常軌を逸しているかのように見える彼らの狂喜乱舞は、まるで雷鳴を呼び寄せるように、居なくなった友に向かってその不在の理不尽を問い続ける咆哮のように見えた。

☆     ☆     ☆

関学ファイターズという伝統と夢を手繰り寄せて、今昔の若者たちが集うスタディアム。青春の青を脱ぎ捨て歩き始めたOB1年生の彼らも、そしてはるか昔にその時を越し来たおやじたちも、同じ熱と歓喜に酔った秋の午後であった。

 


 

 

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