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神社の由来を物語る
高砂神社境内
 
屋台を担ぐ男たち
 
昔は松露焼きといいました
りんごあめの屋台
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わたあめの屋台
こちらはたこ焼き
 
こちらはたこ焼き
 
幹だけが残る三代目相生の松
現在五代目が境内に繁っている
 
尉と姥

 


        
        
         § 高砂神社 秋祭り §


「高砂や〜 この浦船に帆をあげて〜」
という謡曲で知られる高砂神社、小さい頃はその境内を遊び場として走り回った。父も高砂の町で生まれ育ち、高砂の町で職を得て結婚もし、人生の殆どを高砂で過ごした。そんな懐かしい町高砂へ父とふたり出かけた。高砂神社秋祭りである。

この高砂神社、その昔神功皇后の命によって創建され、素盞鳴尊(スサノオノミコト)とその妃奇稲田姫(クシイナダヒメ)、その皇子大国主命(オオクニヌシノミコト)の三神が祀られているという。

スサノオノミコトといえば、あのヤマタノオロチを退治した少年である。なぜ少年というイメージがあるかというとそれには理由がある。

子どもの頃、夏休みになると町の映画館に文部省選定映画がやってきた。東映動画製作のアニメーションムービーである。「白蛇伝」、「西遊記」、「安寿と厨子王丸」などという総天然色、動きの滑らかな劇場公開の大画面に胸躍らせ食い入るように見入ったものだが、そんな中に1963年製作の「わんぱく王子の大蛇退治」というものがあった。

亡くなった母を捜して旅に出たスサノオノミコトが出雲の国でヤマタノオロチの生贄にされかけていたクシイナダヒメを助けるというスト−リーが、神話を元に描かれていた。当時は確かスサノオの活躍に「愛と正義」を学んだような気がするが、今や、ヤマタノオロチを酔わせてやっつけるために八つの甕に入れられていた出雲の銘酒はなんぞ?と思ったりもする。

高砂神社にはさらにもうふたつの神が祀られている。イザナギ、イザナミの神である。

ある時、吉兆の前触れがあり神殿のかたわらに1本の松の木が生えた。根はひとつなのに幹は雌雄ふたつに分かれ枝葉が生い茂ったという。その松の木のもとに尉と姥が現れて「我はイザナギ、イザナミの二神である」と告げたそうである。

イザナギ、イザナミは神話によると地上での最初の夫婦だそうだ。そしてたくさんの子を産み、その中に天照大御神(アマテラスオオミカミ)、月読命(ツクヨミノミコト)、そしてスサノオノミコトもいたというから、高砂神社はイザナギ、イザナミ夫婦、その子のスサノオ、クシイナダヒメ夫婦、そしてその子のオオクニヌシノミコトと、三世代同居の神社ということになるのだろうか。

因みにこの尉と姥、手にするのは熊手と箒である。「おまえ百までわしゃ九十九まで 共に白髪の生えるまで」と謡いながら、「百=ハク=掃く=箒」で厄を祓いのけ、「九十九まで=九十クマデ=熊手」で寿福の象徴でもある相生松の松葉を掻き集めているそうである。

子どもの頃はそういった神社の由来などは露ほども知らぬまま走り回っていたわけであるが、その境内を父と見て歩いた。

かくれんぼをした灯篭も探検をしたひょうたん池も、今見るとさほど大きくはない。子どもの身体でよじ登った石垣も、手を伸ばせばてっぺんまで届きそうな高さである。こんなに小さかったんだぁと昔日を懐かしむ私の側で父はまたさらに遠い昔を思い目を細める。喜寿を迎えた父には70数年が、その子である私にもそれなりの年月が過ぎ去り、そして目の前では今日の子どもたちが走り回っていた。

雨もよいの神社周辺で繰り広げられる祭りの喧騒。神輿を担ぐ男たちは締め込みも勇ましく渾身の力を込める。人混みの中に見知った顔を見つければ、それは登下校の途中のいたずらに目玉を喰らった近所のおっさんであったりする。すでに雷オヤジのなりはひそめ、好々爺の風貌。湧き上がる歓声と共に持ち上げられた屋台を見つめるその目には、かつての自身の勇姿が映っていたのかもしれない。

遠くに太鼓の音を聞きながら、懐かしい学校への通学路を歩いてみた。誘い合った幼馴染の家の表札は変わり、学校近くの文房具屋は世代交替のためかすでに店は閉じられていた。図工で使う4Bの鉛筆を買い忘れて駆け込んだ店先で、学校へ急ぎ戻る小学生の背に「こけたらあかんよぉ」とかけてくれたおばさんの声がふと聞こえたような気がしたのは、きっと降り始めた雨の匂いのせいだったのかも知れない。

 

 

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